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畑には五感で感じる空気やにおいがある
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  • 農家  石毛康高 さん(28)
農家 石毛康高さん
 生まれも育ちも横浜で非農家の出身ですが、小さい頃に日光や長野など緑が豊かな場所を家族旅行で訪れているうちに、将来は自然に関わる仕事がしたいと思うようになりました。実際に農業を始めたのは大学卒業後。農業実践校で1年間ノウハウを学び、4年前に山梨県の小淵沢に畑を借りて農業を始めました。農業の専門雑誌に載った私の記事を見て訪ねてきてくれた由佳さんと今年の2月に結婚し、2人で野菜やお米、ハーブ、ブルーベリーなど年間約百種類の野菜を栽培しています。
 収穫間近の田んぼをイノシシに踏み荒らされたり、冬場畑に残しておいた越冬用ホウレン草やタマネギの苗を猿の群れに根こそぎ食べられたり……。野生の動物から守るために畑にネットをはり、夜は畑を見回りに行くこともします。毎日やることがいっぱい。
 自然が相手で苦労も多いですが、毎日ちょっとずつ変化があって楽しいですよ。春先、雑草たちが芽を出す時期になると、土のにおいが変わるのを感じます。動いてきたなぁって。そして、カッコウが鳴きだすと、遅霜が降りなくなって夏野菜の植え付けの時が来たとわかります。実際に畑に立ってみると感じられる空気感やにおい。そういうのを感じられるのって、人間として大事じゃないかな。
石毛さん  自分もそうですが、小さい頃に自然の中で体験したことって、大人になってもなにかしら心に残って、その人の考え方や価値観に影響を与えていくと思うのです。
 夢は、人が集まる楽しい農場を作ること。野菜作りの体験などを通して、たくさんの子どもたちが五感で自然を感じられる場所にできたらうれしいです。
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