結婚しても、子どもが生まれても、ずっと続けられる仕事がしたくて、迷わず選んだ看護師ですが、なりたての頃は、何を大事に看護をするのかという自分の目標がはっきりとみえなくて、ただノルマをこなすだけの日々。体も辛くて、何度も辞めたいと思いました。
でも、今までしゃべらなかった患者さんがポンと自分の気持ちをしゃべってくれたり、心を開いてくれたり、そんなことを経験するうちに、看護って与えるだけじゃないことに気付きました。入院してきた患者さんは、今までの人生の歩みや、大事にしている価値観や信念といった深いお話をしてくださって、いろんな方たちの生き方に触れることができるのです。
患者さんを病人としてみるのではなく、病気や身体の状態以外にも、家族との関係、仕事のことや今まで生きてきた人生などを含めて理解すると、その方の全体像が見えてきます。そうした全体像を理解して患者さんに接することを大切にしたいと思うようになりました。ご本人にもご家族にも尊敬の念をもって看護したい、それが今の私の看護観。看護師をずっと続けて、少しでも多くの方と接していきたいと思っています。