被災地の子どもたちにまず、
伝えてもらいたいことは、「あなたは役に立っているよ」ということです。傷ついている子どもも誰かのお手伝いをし、褒められ、頼りにされることで、「みんなの役に立っている」ことを実感し、立ち直り、自信をつけていきます。
「ありがとう」「ごくろうさま」と言葉をかけ、「あなたたちの活動はすばらしい」「あなたたちの存在そのものがすばらしい」というメッセージを送りつづけることが最高の支援だと思います。
そして時には、教職員のみなさんも休んでください。身体や心が疲れたら、「しんどい」と言って、休んでいいのです。休むことは悪いことではなく、次の活動へのステップです。身体や心が辛くて休んでいる同僚がいても、それを温かく見守る雰囲気を、ぜひ職場でも作ってください。
阪神・淡路大震災で私が得た教訓は、「自分の命は自分たちで守る」ということでした。災害は、備えの有無に関わらず、どの地域でも起こり得ることです。だからこそ、防災は全国民が学ぶべき課題であり、日々の生活で防災について考える習慣を持つことが大切です。
自分の身を守るのは、災害時に対応できる適切な備えと臨機応変の判断です。そのためにも、基本的な防災知識や技術の習得は不可欠です。全国の小中高校で「防災」を必修科目にするなど思い切った施策も必要です。今、自ら情報を集め、自分の頭で考え、判断できる人間を育てる教育が求められているように思います。