被災した子どもたちの心の中では「また地震が起こるかもしれない」「怖い夢を見るから眠るのがいやだ」「ニュースは観たくない」など、様々な感情が起こります。だから、突然泣き出したり、イライラしたり、「学校に行きたくない」などと言いだしたりしても、それはむしろ自然な反応であって、受け入れがたい出来事を身体が必死に受け止めようとしている証だと考えてください。
たまに「あんなに大変なことがあったのに何ともない。子どもは強いから」のようなことを言う人がいますが、保護者がそのように受け取ってしまうことの方が心配です。大規模な災害を経験した子どもたちは、「親や先生に心配をかけまい」とつらい感情を閉じ込め続け、頑張ってしまう傾向があるからです。
だから、保護者の皆さんには、まず「辛い気持ちになったら言ってね」などと、子どもが我慢せずに気持ちを伝えやすい環境をつくってあげること。さらに、「怖いよね」とか「なんだか腹が立つよね」などの“気持ちメッセージ"を折にふれて、自分から子どもたちに伝えてもらいたいです。こうしたメッセージを受け取った子ども達は「一対一で話していいんだ」と感じ、とても気持ちが楽になります。
教職員の方々は、本当によく頑張っていると思います。大事なのはお互いにねぎらうこと。そして頑張る時と休む時を切り分けて前に進むことです。かなりの長期戦になりますから、しっかりと休めるように国や行政にも環境面の工夫をしてもらいたいですね。