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◆レポート
  • 「子どもの意欲を引き出すためにも
     教職員の数の確保を!」
  • 全国連合小学校長会 池田芳和会長
    (東京都港区立御成門小学校校長)
写真:池田芳和会長

 PISA(OECDが実施している国際学習到達度調査)のデータや中教審の答申などでは、日本の子どもは勉強はできても意欲が乏しいといった指摘がされています。意欲のなさは子どもたちが学ぶ環境に大きく影響されます。「さっさとやりなさい」「早くしなさい」というような中で育てば自主性は芽生えません。
 教育の現場では「できた!」という小さな喜びや達成感を積み重ねていくことが大切です。計算問題がひとつ解けたときも先生がしっかり見てあげられるような体制作りが必要です。そのためには、十分な教職員の数が求められますが現状ではとても足りません。少人数指導などのためのお金が国から出ていますが、どの学校でもだいたい先生一人分。自治体によっては非常勤講師をつけていますが、財政にゆとりのあるところに限られ、地域格差が生まれています。さらに義務教育費の国庫負担が2分の1から3分の1になり、負担が増えた自治体は財政的に厳しい状況にあります。
 また、先生たちがあまりに忙しいのも心配です。子どもたちが学校にいる間は、先生たちは指導の時間です。小学校でいえば朝から始まって午後3時半ごろまでで、残った時間で指導のための準備をしています。これでは、指導をよりよくするための勉強や教材研究をする余裕がありません。教育をよくするための時間的余裕を持てなければ、先生たちは疲弊してしまうのではないでしょうか。

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