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夢への道は一つだけではありません様々な経験を通して見つけていこう
藤井聡太 さん

史上最年少棋士デビュー(14歳2カ月)を決めた当日、記者会見にのぞむ藤井聡太さん。

藤井聡太(ふじいそうた)
2002年愛知県生まれ。5歳で将棋を始め、16年に史上最年少となる14歳2カ月で四段昇段を果たして棋士に。デビュー後、公式戦29連勝の新記録を樹立。20年、17歳11カ月で棋聖のタイトルを獲得し、記録を30年ぶりに更新する最年少タイトルホルダーに。その後も王位、叡王、竜王、王将、棋王、名人を獲得し、23年10月には史上初の八冠独占を達成した。

史上最年少となる14歳2カ月で棋士となり、2023年には史上初の八冠独占という快挙を達成した将棋棋士の藤井聡太さん。
小学生の頃は外遊びが大好きな活発な面もありながら、自然と将棋に没頭していったそうです。
幼少期の体験や対局で負けた際の気持ちの切り替え方などについてもお話しいただきました。

――幼少期はどのようなお子さんでしたか?

 3歳の頃、木製の立体パズルに夢中になっていました。溝と穴のあるブロックを組み合わせ、ビー玉を転がすコースを作るおもちゃで、見えない通路を想像するのが楽しかった記憶があります。
 5歳の時に、祖母から将棋セットをおくられたことがきっかけで将棋を始めました。祖父母に勝てるようになると、地元の将棋教室に通い始めました。そこで自分よりも強い相手に負けたことが悔しくて、より真剣にとりくむようになりました。非常に負けず嫌いな性格でした。

――小中学生時代の学校での思い出は?

 小学生の時は、外で遊ぶことも多く、休み時間に友だちと校庭で遊んだり、放課後はかけっこや木登りをしたりしていました。好きな教科は社会でした。鉄道が好きで、地理に関心があったのでよく地図を眺めていました。街歩きなど、学校外での活動が時々あることも楽しみの一つでした。
 小学校の先生は私が将棋をしていることを知ってくださっていて、大会で優勝すると、「おめでとう」と声をかけてくれました。中学生で棋士になってからは、少し特殊な立場になりましたが、良い意味で以前と変わらずに接してもらったことで、気を張らずに、リラックスして学校生活を送ることができました。

――棋士をめざしたきっかけは?

 今、思い返しますと、子どもの頃から棋士への憧れはありましたが、明確な夢として意識していたわけではありません。奨励会(棋士養成機関)に入った小学4年生の頃は、ただ、「強くなりたい」という気持ちでした。棋士を職業として意識したのは、三段リーグ在籍時の中学生の頃です。昇段すれば棋士になれるという現実的な目標が見え、初めて意識するようになりました。

――将棋を辞めたいと思ったことはありましたか?

 辞めたいと思ったことはありません。子どもの頃は、大会で敗退して悔しい思いを何度もしましたが、翌日には、「また次の大会で頑張ろう」と気持ちを切り替えていることが多かったように思います。奨励会に入ってからは、勝敗に一喜一憂して苦しい時期がありました。負けた時は悲観的になりがちですが、次の対局に影響するのは避けたいと思い、前向きになるのは難しくても、少なくとも自分の考えや選択に自信を持てる状態で将棋を指そうと努めていました。

――子どもたちにメッセージをお願いします。

 私の場合、幼い頃に始めた将棋が今の自分に繋がっています。それは偶然が重なった結果かもしれません。「こうなりたい」と明確に決意したというよりも、自然とそうなっていったという感覚です。「目の前のライバルに勝ちたい」、「次の大会で優勝したい」という目標を一つひとつ達成した結果、今に至ります。
 夢が見つからずに悩んだり、挫折を経験したりするかもしれませんが、それは決して悪いことではないと感じます。進む道は一つだけではないですし、様々な経験を通して、少しずつ自分の夢を見つけていけば良いと思います。

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