今、日本では国や自治体の教育予算が削減されています。たとえば、義務教育費国庫負担制度は、今年度から国の負担率が2分の1から3分の1に引き下げられました。また、少人数教育推進のための教職員定数改善もストップしました。さらに、同制度の廃止や今日職員数の大幅削減を強く求める声もあり、お金のない自治体が多くある中、教育の地域間格差が懸念されます。
義務教育費国庫負担制度とは?
1953年、「国民のひとしく教育を受ける権利」を保障するため、義務教育の無償、教育の機会均等、教育水準の維持・向上を目的(義務教育費国庫負担法1条)として成立した制度。その中で、国は都道府県が負担する、義務教育諸学校の教職員の給与の2分の1を負担することになっている。(06年度から3分の1負担に変更)
地図や地球儀など、学校において使用される教材の購入費用は、地方の自前の収入である地方税と、国から地方に交付される地方交付税によってまかなわれています。これらの財源は、使い道が限定されない一般財源とされており、教材を購入するかどうかは地方の自主的な判断に任されています。
2のグラフは、全国の各市町村において、実際に教材費として予算措置された状況を全国ベースにまとめたものです。措置率100%で、一般財源として積算した額と同額の教材費の予算が措置されたことを示します。年々、予算措置率は低下し、1997年度以降は一般財源で確保された水準を下回っています。2004年度は72・1%しか教材費が措置されていません。
現在、地方交付税の削減が検討されており、義務教育費国庫負担制度が廃止された場合、こうした教材費の例からも、教育の地域格差が懸念されます。