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◆レポート
  • 「教員が子どもと一緒に
     向き合える時間の確保を!」
  • 全日本中学校長会 壷内明会長
    (東京都港区立御成門中学校校長)
写真:壷内明会長

 この3月に新学習指導要領が告示されました。中学では来年度から移行措置に入り、平成24年度から全面実施です。新しい学習指導要領では授業内容や時間数が増え、実践していくためにはそれに見合う人的措置と予算措置が必要です。特に、教職員定数の改善は最優先課題。新たな教員の配置が非常勤講師になる可能性もありますが、責任をもって新しい教育を実践するには正規の教員が必要というのが私たち現場の共通した思いです。
 中学校現場では生徒と向き合う時間の確保が大きな課題。中学時代は多感な時期で、心の変動が大きいのが特徴です。しかし教職員は授業やその準備、教職員間の打ち合わせなどで手一杯。生徒たちが抱える将来の進路や友だち関係、家族の問題、勉強や部活動などの悩みや相談を聞く時間がほとんどないのが実情です。放課後も部活動の指導があります。授業が入っていない時間に生徒の悩みについて考えたりまとめたりする時間がほしいのですが、現行の教育課程ではほとんど取れません。
 教職員の増員は指導方法の工夫・改善などの点でも不可欠です。授業改善が進めば生徒たちの思考力・判断力・表現力などを養う授業が今まで以上に進められます。教育改革が矢継ぎ早に進められ、教員にはゆとりがありません。学習指導要領の変わり目である今こそ、教員がゆとりを持って、しっかりした授業を確立することが必要なのです。

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